3/22/2017

SIM MIX: #009 Baby Blue ~ 'Love Is Trance'


"we drift deeper and life goes on"

00年代後半から10年代前半にかけて、自身も作家として活発にリリースを重ねたJulia LaDenseがファウンダーを務めるレーベルAfternoons Modeling(ここにWakesleep〜Tanning Salonという線があるのだとすれば、昨年のAirportはBaby Blueから続く線だろう)よりリリースした2014年作のEP「Hair」。これを皮切りにBaby BlueことJulian Briggsは、EP・ミックステープ・シングル・DJ Mixを中心に”自身を安売り”しない目利きである程度の”界隈”を行くような佇まいを見せている。 Cyber Spaからの2015年作DJ Mix「Crippled Angel」はわかりやすくM.E.S.H.やLoticが収録されていたし、昨年はNONなどのレーベルとも同期するPTPより満を持してデビューし、そこでリリースされた「Void Gate」は2016年の佳作として位置付けるべき内容だった。レゲトン、ダンスホール、ガバ、クドゥーロ、グライム、EDM、インダストリアル、R&Bをマッシュアップさせたような感性はまさにTotal Freedomチルドレンとして間違いない。そう言ってしまうと2017年のいま逆張りするのには旬な”その感じ”になるが、国内では彼に対して一層に愛のあるエールを送る原宿のRadd Loungeとその周辺のストリート・カルチャーにおいて、上海やソウルなどの熱気に”東京”が押されてしまっていないか不安な私としては、こういった”いまの感性”をSNSでのシェアではなく、ミクロでもよいから文章に記していくのが重要なのではないかと、今後も”東京”がかっこいい街であってほしい私の羨望の感情も込めて、”この辺”もSIM MIXで取り上げていくことができればと思う。”彼ら”の来日がいつも盛り上がる、そんな街に東京がなってほしいので。



Tracklist:
  1. INTRO (love is trance)
  2. City (unreleased) + Chastic Mess (rivalry) + Push (strange world)
  3. York (quake) + Andy Stott (intermittent) 
  4. Motorcycle (as the rush comes) + Crystalone (serpenstance be fit)+ Bloom (vessel)
  5. Moby(When It's Cold I'd Like To Die) + Eaves (Vascular [x/o tranquility mix])
  6. x/o - where is sense in turmoil + Emil/Sacrifice
  7. Dr. Actor - In the Plague I'm Standing
  8. VIOLENCE - The Third Tiered Candle (Lyric Excerpt)
  9. Cacogen - three sleepless nights 
  10. Chicane (lost you somewhere) + SWAN MEAT (IRON MAIDEN/COLERIDGE X WWWINGS X RIHANNA) + Bauhaus (all we ever wanted was everything) + Perasma (swing2harmony) + Sonique>> Deformer (counter carnage akira remix) + Ivan van dahl (reason) + ATB (9pm till i come)
  11. Sebastian Ruslan + Baby Blue - Feign
  12. ASMR whispers
  13. City - Cold & Bright

3/20/2017

kenji yamamoto ~ fukushima feat. gobby (demo)


3月11日、その日に「3.11を忘れず」だとか、そういった類の言葉をSNSに投稿することを躊躇ってしまい、どうしても出来なかった。私もそろそろいい年なわけだから斜に構えている場合ではないし、「忘れない」ことが大切であることは知っているつもりなのだけれども。そもそも、遠く離れた西日本の田舎で暮らす私にとって、東日本大震災は、叩かれることを覚悟で記すがどこか「他人事」だ。生涯で身の危険を感じる自然災害にも直面をしたことがないし、とにかく”リアリティー”がない。2011年3月11日から経過した6年という時間は私の中の「3.11」が風化していることを否定できないし、ニュースで目にするそのキーワードで、ああ、そんなに経ったんだ、と、思うぐらいで終わってしまっている。興味がないだとか、そういった訳ではない。しかし、義援金を送ることも私は2012年が最後になってしまったし、「3.11」は日々の目の前の生活でいっぱいになってしまっている私の頭のなかでは優先事項が高くないし、それが普通だと思う。名前も知らない人の死は、そばにある愛する人たちのそれらに勝る訳がない。と、くどくどとポエムを書くが、毎年訪れる「3.11」の、故郷や大切な人たちを失った方々の映像を見るという機会は、感じているのは絶対に私だけではないはずなのに同世代の若者達は大して表現しようとしない「言葉にできない閉塞感」のファクターの一つであるのではないかと思う。1991年から2002年とされているこの国の「失われた10年」は誤りであって、正しくは”20年”だったし、順調に”30年”になろうとしている。そんな斜陽のなかで起きた「3.11」は汚い言葉で言うならば”トドメ”だったような気がしていて、そして、立ち直る前に迎える「東京オリンピック」に滲む”最後の花火”の気配はどうしようにも私を不安にさせる。でも、どうしようもない。それをどうにか形にしたい。音楽は社会を反映してきた。私もそういった音楽を作りたい。誰かに届けたいのではなく、”言葉にできない”のだからこそ、音楽としてこの気持ちの悪い感情を嘔吐してしまいたい。


'RPO (Ritual Public Offering)' by NIKKEI (Wasabi Tapes)

'RPO (Ritual Public Offering)' by NIKKEI (Wasabi Tapes)

Wasabi Tapesのnew shitはGordon WantuchによるプロジェクトNIKKEIのデビュー作。経済にまつわるチャートを目にしたとき、それらの背景には末端である私達の日々の生活があるわけだが、どこか自分とは無関係であるように、他人事であるように思える瞬間がある。あまりにも巨大な上層の意向で操作され動いていく折れ線は一般市民の私にどうすることも出来ないし、円安・円高の話もバンドキャンプなどで音源を購入するときに思い浮かべるが、だからと言って、というのが事実だ。NIKKEIはそれら上・下部構造の社会が無機質に刻字していく点と線、数字が織りなすものを眺めているときに流れてくるアンビエンスを捉えている。音の質は温もりのあるものなのに、それを描写するNIKKEIの目はどこまでも冷めているし、資本主義の限界に直面しつつある現代という世界が崩壊していく(かもしれない)未来の姿を目の当たりにしているような感覚を覚える。しかし、こう大袈裟にディストピアを記しながらも本作『RPO』の心地がよいのは、あくまでもNIKKEIは「経済」のアンビエンスを写実的に奏でているだけで、そのチャートの向こう側を触れようとはしない、”エモーショナル”の引き際に抜群の感性が働いているのだと感心している。NIKKEIの第一歩に立ち会えたことを感謝したい。





☆★ dj yes ★☆ new song via Quantum Natives (teaser)



3/15/2017

Guillem Sarriá Verdú ~ STOP NOMOPHOBIA Teaser


1992年生まれ(ちなみに同い年)の作家Guillem Sarriá Verdúは、スペインのバレンシア工科大学にて工業デザインの博士号を取得しており、工業製品の製作を生業としているようだが、昨年よりバンドキャンプが作る現行のシーンを順調に歩んでいるAirportことHunter Pharis Johnson(ちなみに近々某レーベルからデビューするらしい。戦略的とも取れる2016年と今年の活動が実を結ぶわけだ)に映像を提供しているというのが実にキャッチーで、

そんな彼が「STOP NOMOPHOBIA」という作品のティーザーをひっそりと公開している。ノモフォビアという聞きなれない言葉を調べてみるに、携帯電話依存症ということらしく、なるほど、スマートフォンに顔を吸い込まれている度合いでは世界のトップではないかと、あまりにもそれらが日常の風景になってしまった日本人としては分かりやすい映像だ。そんなことを言っている私も気づけば触っているのだし。そして何も知らない電話の相手を録音する行為は2016年の傑作「Disruptive Muzak」とも繋がるようで、現代社会の批評としても考えさせられるし、何より不思議と心地がいい。